神奈川大学

工学部経営工学科

グローバル

02

多様な文化を知り
世界と日本の技術を学び
その融合を未来へ活かす

交換留学先 : カディル・ハス大学
(トルコ・イスタンブール)

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多様な文化を知り
世界と日本の技術を学び
その融合を未来へ活かす

交換留学先 : カディル・ハス大学
(トルコ・イスタンブール)

安池 玲美Remi Yasuike
異文化で大ピンチ

トルコ留学が始まって1か月が経ち、私の生活もようやく落ち着いてきました。日本とは全く異なる文化や価値観の中に飛び込み、日本語を一切使わない生活を送っています。
到着早々、予想外の出来事が次々と起こりました。早朝5時に空港へ着いたものの、ホテルの送迎車が来なかったり、予約していたホテルのアーリーチェックインが確保されていなかったり…。さらに、新しいアパートは写真とまるで違い、今にも崩れそうな見た目でした。また、トルコではVISAは不要ですが、現地で滞在許可申請をしなければならず、その手続きが想像以上に大変でした。極めつけは、新居にトコジラミが発生し、1週間ほどでアパートを追い出される羽目になり、急いで新しい住まいを探さなければならなかったことです。
日本では考えられないような出来事ばかりで、問題が起こるたびに「どうしてこんなことになったのか?」と考える日々が続きました。日本にいたときは、困ったことがあれば家族や友人に相談して解決していました。しかし、トルコでは日本人は私一人、英語も通じないことが多く、法律やルールも日本とはまったく異なります。すべての問題を自分一人で対処するしかありませんでした。

ピンチが最高の学び

正直、2週間目には「もう日本に帰りたい」と思っていました。それでも何とか踏ん張り、自分の行動を振り返るうちに、一つの気づきがありました。それは、私は「自分で解決しよう」としすぎる癖があるということです。何でも自分で進めたほうがうまくいくと過信し、人に尋ねることを避けていました。「聞いたら迷惑ではないか」「変に思われるのではないか」という恐怖心があったのです。
例えば、部屋の暖房の使い方が分からなかったとき、大丈夫だろうと勝手にいじった結果、シャワーのお湯まで出なくしてしまいました。もし家主に一言メールで確認していれば、すぐに解決できたはずです。また、ルームメイトに聞いていれば、たとえ分からなかったとしても、そこから英語で会話をし、仲良くなるきっかけになったかもしれません。この経験から、「確認を入れることの大切さ」と「人に頼ることで新しいチャンスが生まれる」ということを学びました。

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トルコだから

トルコでは、さまざまな国の人々と関わる機会が多く、新しい人と会うたびに出身国を覚えるのに苦労しました。ハンガリー、ポルトガル、インドネシア、ドイツ、フランス、ポーランド…。また、イスラム教を信仰する友人もでき、日本では得られない視点や価値観に触れることができました。このように、多様な文化の人々と交流できることは、トルコ留学の大きな魅力だと感じています。
まだ留学生活は始まったばかりですが、多くの人に助けられながら、貴重な経験を積むことができています。これらの経験が確実に私の力になっていると実感しています。残りの留学期間も、さまざまな経験を積み、「成長し続けること」「人に頼る勇気を持つこと」を大切にしながら過ごしていきたいです。

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カディル・ハス大学での学び

私は現在、トルコの大学でコンピューターエンジニアリングを専攻しています。もともとトルコでエンジニアについての授業がどのように行われているのか興味があったこと、そして将来、海外志向のある企業でエンジニアとして働きたいという思いから、海外の大学で学ぶことは大きな経験になると考え、専攻を決めました。授業のスタイルは日本と少し異なります。出席が必須ではない授業も多く、自分が興味のある講義だけ出席し、それ以外は自宅で勉強するという学生もいます。そのため、毎回の授業が大人数で行われるわけではありません。また、私が通っているカディル・ハス大学では、コミュニケーション能力の向上を重視したカリキュラムが組まれていて、授業内でのプレゼン発表やグループワークが頻繁に行われます。
最初は難しそうに感じましたが、現地の学生たちと交流できる機会も増え、彼らが英語で話してくれることもあり、とても良い英語の練習になっています。最近では、映画分析の授業でグループプレゼンを行いました。指定された映画を見て、その映像表現や演出が視聴者にどのような効果を与えるのかを分析し、発表しました。グループで内容を統一するため、話し合いを重ねたり、電話で原稿の内容について相談したりと、協力しながら進めました。プレゼン前日にはメンバーの一人がデモに参加するため最終確認ができないというハプニングもありましたが、事前にチャットで内容を共有し、うまく乗り切ることができました。
また、プログラミングの授業ではC言語のフローチャート問題が出されたのですが、内容が難しくて理解できず、先生に質問しました。しかし英語がうまく伝わらず、少し言い合いになってしまいました。この経験から、英語を話すスキルだけでなく、「相手に伝わるように話す力」の大切さを実感しました。
授業を通じて感じたことの一つに、トルコの学生たちの主体性の高さがあります。先生が「何か質問はありますか?」と尋ねると、学生たちはすぐに自分の疑問を口にします。日本では恥ずかしさや「なんとかなるだろう」と思って、その場では質問をしないことが多いと思いますが、トルコの学生たちの姿勢を見て、私も見習うべきだと感じました。

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学ぶ機会を自分で得る

私は運よく5人の交換留学生たちと仲良くなり、よく一緒に遠出をしています。この交流の中で気づいたのは、時間に対する感覚の違いです。私はもともと朝から活動するのが好きなのですが、こちらでは午後から遊びに出かけるのが一般的です。また、遊びに行く時間や日程も事前にしっかり決めることはあまりなく、前日の夜や当日の数時間前に「今から出かけない?」と誘われることがほとんどです。最初は戸惑いましたが、今ではあまり時間通りに来ることは期待しないようにし、五分前行動もやめました(笑)。
トルコでの生活を通じて感じたのは、様々なサービスが非常に充実しているということです。例えば、交通機関を利用する際に使う「イスタンブールカード」を持っているとスーパーでの買い物が少し割引になったり、「博物館カード」があれば多くの博物館に無料で入場できたりします。学生料金の交通カードや、無料で夕食が提供される図書館施設などもあり、探せば探すほど便利なサービスが見つかります。
特に印象に残っているのが、ラマダン期間中にモスクで無料の夕食が提供されていたことです。これはイスラム教の文化で、裕福な人も貧しい人も分け隔てなく食事を分かち合うという精神から来ています。私も断食に挑戦してみたのですが、食べない時間が想像以上に長く、途中で断念してしまいました。断食をしていた友人に聞くと「最初は誰でも難しいけど、だんだんできるようになる」と話してくれました。
また、トルコでは英語を話せる人があまり多くないということにも驚きました。同じ大学の学生でさえ、英語が話せない人がいることもあります。大学の授業は英語で行われているため、生徒たちも当然英語を話せると思い込んでいたからです。でもその分、トルコ語を覚える機会も増え、今では少し会話ができるようになりました。英語に加えてトルコ語も話せるようになったことは、自分の中で大きな自信につながっています。
そのほか、留学生向けのイベントにも積極的に参加しています。カラオケ、ボーリング、博物館ツアーなど、さまざまなイベントが開催されていて、友人を自宅に招いて映画鑑賞会を開いたこともあります。各自が好きなお菓子や飲み物を持ち寄って、自分達の国の音楽をかけながら、お互いの文化について語り合う時間はとても貴重な体験でした。
今度は、少し遠くのカッパドキアへ旅行する計画を立てています。トルコに住んでみないと分からなかったことや、まだ知らない文化がたくさんあるので、これからももっと学んでいきたいと思っています。

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トルコでの6カ月の留学生活を終えて

トルコでの6カ月の留学生活を終え、改めてこの貴重な経験ができたことに深く感謝しています。この留学は、私にとって人生の大きな転機となりました。文化・言語・生活習慣の異なる環境で過ごす中で、学んだことは数えきれませんが、特に大きかったのは「多様性の中で生きる力」と「自分の価値観を見つめ直す機会」を得られたことです。

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数々の大切な学び

トルコでは、英語がうまく通じず、日本人も周囲にいなかったため、不安や孤独を抱えながらの日々が続きました。しかし、自分から積極的に話しかけたり、身振り手振りを使ってコミュニケーションを取ったりする中で、「伝えようとする姿勢」がどんな言語よりも大切であることに気づきました。会話中に分からない単語があっても、ジェスチャーや擬音語で補いながら話すことで、少しずつ信頼関係を築けることを実感しました。相手に「伝えたい」という気持ちを持つことが、異文化間の友情を育む上で非常に重要であると学びました。
また、トルコの人々のおおらかさにも多くを学びました。例えば、大きなスーツケースを運んでいると、見知らぬ人が自然に声をかけて手伝ってくれることが何度もありました。困っているときに話しかけてもらえることが、どれほど心強く、嬉しいことなのかを身をもって感じました。そして私も、「今度は自分が誰かを助けられる人になりたい」と思うようになりました。困っている人を見かけたときには、ためらわずに声をかけることの大切さを実感しました。
さらに、日本とトルコの価値観の違いにも大きな驚きがありました。時間の感覚、人との距離感、食文化、宗教に対する考え方など、日本では「当たり前」と感じていたことが、世界ではそうではないことに気づかされました。例えば、トルコではお店の人が積極的に通行人に声をかけて客寄せをします。また、値札がある商品でも交渉次第で値下げしてくれるなど、「値切り文化」が根付いていることにも驚きました。こうした経験を通して、自分の中にあった固定観念が崩れ、物事をより柔軟な視点で考えられるようになりました。
以前の私は、「人はこう考えるはずだ」「次はこうするに違いない」と、無意識に人を決めつけてしまうことがありました。しかし、留学を通じて「人の考え方や行動は多様であり、必ずしも自分の予想通りにはならない」ということを実感しました。
また、留学中に出会えた友人たちからも多くの刺激を受けました。一緒にさまざまな場所へ出かけ、文化や考え方を共有し合った時間は、かけがえのない思い出です。別れの際には、お互いの国を訪問する約束を交わしました。いつかその約束を実現させて、皆の国を訪れながら世界を旅したいと心から思っています。

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未来へと活きる大きな財産

この留学経験を通じて培った「柔軟性」「異文化理解」「行動力」は、これからの人生において大きな財産になると感じています。そして、日本にいるだけでは気づけなかった「日本の良さ」にも改めて気づくことができました。
将来的には、ITやUXの分野で国際的な仕事に携わり、多様なバックグラウンドを持つ人々の視点を取り入れた製品やサービスづくりに貢献したいと考えています。この経験を、単なる思い出として終わらせるのではなく、今後の行動や選択にしっかりと活かしていきたいです。

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